を読んだ。
中高生のころはちょくちょく買っていたFMステーション。手に取ったキッカケが鈴木英人の鮮やかなイラストだった。
ご多分に漏れず、エアチェックをして、レーベルをつくってなんて事をよくやっていた。いまでも手許にFM STATIONから切り抜いたレーベルをつけたカセットが何本もある。番組表でいろんな曲名・アーティスト名を覚えた。それこそ勉強の暗記よりも必死に。
筆者は元編集長。当時の御苦労が語られるが、軽妙な筆致でとても読みやすい。ときおり、「ですます」と「である」が混在するあたりは、FMステーションが醸していたイメージにマッチしてる。FMの歴史、同時代的にみてきたポップミュージックとAV機器の変遷が纏められていて、資料としても有効だ。個人的には、なぜバグスバニーがキャラとして登場していたのかが謎だったのだが、解き明かされている。図版も懐かしいものが満載だが、p108のメタルテープ。金持ちの同級生が学校に持ってきて見せびらかしていたが、中身がジャーニーだったので鼻で笑ってやったことを思い出した。
最盛期には50万部発行していたとは驚き。
98年に廃刊となったとは知らなかった。その頃、というか、90年頃を境にエアチェック自体することが無くなり、90年代の仕事場BGMは完全にJ-WAVEだったので番組表も必要なく(それ以上にJ-WAVEをラジオと意識していなかった)、あとは車で聴く程度。時代的にも、各局はライブ性を重視していたり、インターネットの普及で番組表やOA曲の検索はより簡単になり、番組表・FM誌という媒体の必要性が無くなってしまっていた。
当時4誌あった専門誌は2001年をもって全て廃刊となってしまった。ビデオはラジオスターを殺すことはなかったけれど、皮肉なことにFM局はFM誌を殺したのかもしれない。
元読者、エアチェックをしていた皆さん、フェリクロームでピンと来た方にはオススメの本です。
+-+
追記。近郊のコミュニティFMが閉局することになった。
東京新聞:『エフエム多摩』閉局へ 来月末で会社解散 広告減で累積赤字4500万円:東京(TOKYO Web) - http://goo.gl/4ylR
0 件のコメント:
コメントを投稿