4時ごろ、曇天の下ドライブをしている。
渓谷のような、鬱蒼とした木立を潜っていくと、舗装された道だったはずなのに、いつのまにか濡れた岩盤の上を走っているようだ。富士の樹海にも似た様子。
どん突きで車が停止してしまった。車を降りて様子をみようと目の前に聳える巨岩を登って、見下ろすと、数十台の自家用車やバスが同様に嵌っていることに気がつく。
右上のほうから水が流れてくる。水量はわずかに見えたのだが、数秒もしないうちにドォーッという轟音とともに大量の水が滝のように落ちている。驚いて自分の車を確認すると、後続車両と同様に流され横転してしまっている。
水が落ち着いてから岩を降り、あたりを見渡すと、公民館のような平屋の建物が見えたので、助けを求めに向かう。そこにいるのは老人が数名。大変な目に合っている、と状況を話しても、「あんたもか」、と、日常の出来事であるかのように聞き流されてしまう。この状況ではいかんともしがたく、外界へ連絡をとるべくポケットを弄るが、車内に置きっぱなしだったことを同時に思い出す。
室内を見渡すと、ピンクのダイヤル式公衆電話が目に留まった。仕方なく再び老人のもとへ寄り、電話をかけたいので小銭を借りたいと伝えると、「ここの電話は5時で使えなくなるんだよ」と。
一体ここは…。
建物脇に階段があったので屋上に上がると、さっきいた森の奥から老人が何かを携えて歩いてくる。下の階にいる老人に向かって大声でなにやら話しかけているのだが、訛りが強力で、まるで外国語。あるいは仲間内の特殊言語のようにすら思えてしまう。強烈な孤独感に苛まれる。さあこれから、如何にして脱出するか、と悩んでいると…
目が覚めた。
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